ひさしぶりなので、長文でも。

ガキの頃って、ちゃんと毎週テレビ番組を見るなんて事はしていなかった。
だから、ズバットがピンチに陥ったシーンは記憶の断片にあるけど、どう切り抜けたかはまるで覚えていなかったりする。
(・・・例えが悪いか。ズバットがピンチに陥っても、次のシーンでは"なぜか"平然と変身して登場したりするし。"お前崖下に転落しただろ!どうやって登ってきたんだよ!"みたいな)

元々テレビ番組でヒーローを楽しむというライフスタイルではなかったのかもしれない。自分にとって幼い頃の娯楽の記憶といえば、テレビマガジンやテレビランド、テレビくんといった幼年向けテレビ雑誌だった。
この手の雑誌に載っているテレビヒーローのコミカライズ作品って、今見ればほとんどが全然テレビと違う「好き勝手やってる」作品ばかりだったけど、何度も反芻できる事も手伝ってか、テレビなんかよりよっぽど記憶に残っている。

自分の中の最も古い漫画の記憶は「プロレスの星アステカイザー」の最終回か、「ジャッカー電撃隊」の初回のコミカライズだ。
だからアステカイザーの最終回は、自分の中では廃墟でラスボスとアステカイザーがガチンコで戦い、ラスボスが鉄骨に向かって投げ技を決められて頭から串刺しになるというシーンで終わっている。テレビのラストがどうだったかは、知らない。


・・・ちょっと前にようやく「ジャスティライザー」の最終回を見終わった。
純然たる古式ゆかしいヒーロー番組。アクションは最高、造形も過不足なし、ヒロインは正直微妙だったけど、ライザーカゲリが最高に好みだったから許す。そんな番組だった。

ストーリーについては、全くもって語るべきところが無い作品だったとも言える。悪の宇宙人が攻めてきました。不思議な力を持ったヒーローが撃退しました。おわり。

随所に目を見張るような展開はあった(ビルに閉じ込められたガントが説教するシーンとか、電気屋のオヤジが大福を持たせる所とかは屈指の名シーンかと思う。最終回間際で皆が変身せずに戦うシーンも実に印象的だった。)けど、概ね物語としては変化球が少ない、普通のヒーロー物だった。
むしろ見るべきはアクションであり特撮であり、個人的にはライザーカゲリ役の神崎詩織たんだったわけで。

でもこれって、子供にとっては受け入れやすいヒーローだったんじゃない?と、強く思う。"先週は家族で出かけたから見られなかったけど、番組の始めに1分くらいあらすじを説明してくれるから大丈夫。先週はニンライザーで敵を倒したのか、じゃあ今週はジュウライザーかな?"なんて楽しみ方、普通に自分がガキだったらワクワクして見る事が出来たと思う。


アステカイザーのコミカライズ版がガキの頃の自分の胸に深く焼き付いているのは、最終回の激闘でアステカイザーのマスクが半分破れてしまうからだ。恐らくは毎号毎号きちんと読んできたのだろうし、テレビも見ていたのだろう。しかし、今まで隠していたはずの素顔が見えてしまうという「変化球」な演出が、最終回になって使われたためにより深く印象に残ったのではないかと思っている。
やはり直球あってこその変化球なんだと、思う。いやまあ、変化球ばかりの某ライダーを卑下したいわけじゃなくてね(笑)。


さーて、次はセイザーXか!