オタクとして「最後の一線」と考えていたことがふたつある。
ひとつは「ドール系ホビー」でもうひとつが「トレーディングカード」。
前者は最近ではあまり聞かれなくなったが、逆に深く静かに潜行しているようで、VOLKSのスーパードルフィーなど、恐ろしいことになっている。模型誌で短期連載していたドルフィーのメンテナンス方法を彼女に読んで聞かせたところ「女性誌のメイク講座と書いてあること変わらん」という感想が返ってきたほどだ。
トレーディングカードは極めてコストパフォーマンスの低いホビーだ。ボール紙に印刷された写真やイラストを、何千円も出して購入する。トレーディングとは名ばかりで、ほとんど自力で集めねばならず、しかも箱で買ったとしてもコンプリートできないようにアソートされている。
どちらもかなり経済的に余裕のあるオタクがはまるホビーで、しかも社会復帰がかなり困難な部類である、という印象を昔から持っていた。

そんな事を考えていたウェブマスター自身が、トレーディングカードを一気買いするという暴挙に出る。しかも、この手のホビーでは一番あざといとされる、アイドル系のカードに。


巷ではすでに話題だろうが、今年の戦隊物は非常に出来が良い。話のテンポも良く、設定も隙がない。配役も絶妙で、なにより5人のうち2人が女性メンバーであるというのがお父さん達を喜ばせているのではないかと推察される。
そして、デカイエローことジャスミンこと木下あゆ美トレーディングカードが出てしまった。劇中ではかなりクール&ビューティーで、でもなぜか不思議系という微妙なキャラクターを演じている彼女が、かなり大胆な水着姿を披露してくれているらしい。

試しに2〜3パックほど購入してみる。
劇中とは全く異なる表情を見せる写真多数で、ちょっと面白くなってくる。
思い切って2箱購入してみる。
いきなり直筆サインが書かれたカードが出て、舞い上がる。
箱にプリントされた応募券を3枚応募すればバインダーがもらえるらしいので、更に1箱購入する。
このシリーズ、他のアイドル系トレカより特殊カードのアソート率が高くなっているようで、1箱に2枚は生写真などが入っている。
もはや前後の見境がつかない状態になっているようで、更に3箱購入。ノーマルカードは3組もそろってしまった。

ふと振り返ると積み上がったカードの山と、軽くなった財布があった。投入金額は3万円を超え、およそ彼女には見せられない、アイドルの水着姿のカードが部屋中に。
とりあえずバインダーのプレゼントを応募し、そろったカードをファイルしていく。
やはり超えてはいけない一線と思っていた線を越えると、恐ろしい世界が待っていたのだなあ、と実感する。
とはいえ、7月末にはDVDとセットになったカード第2弾が出るらしい。一度乗りかかった船だ、と覚悟を決めている自分がいる。

これで更にデカピンクことウメコこと菊地美香のトレカも出たらえらい事だな、と今から戦々恐々としている。