響鬼プロデューサー・脚本家交代に対して、我々は何が出来るのか。

今でも思い出すと涙がこぼれてくるのが、クウガの公式サイトで紹介されている、障害を持つお母さんからのお便り。身体が思うように効かないお母さんが、ついお子さんにあたってしまい自己嫌悪に襲われ、「ごめんね、お母さんがこんなで」と謝った時、お子さんが「お母さんはお母さんに出来るだけの無理をすればいいんだから」と、劇中の五代雄介と同じ台詞を言ったというエピソード。
この母子が救われたという一点において、クウガという番組は、どんなに玩具が売れなかろうと価値があったと思っている、自分は。

クウガという作品は、掛け値なしに奇麗事の作品であり、五代雄介という主人公は現実にはありえない、高潔な人物だ。ただし、我々は過去に同じ魂を持つ人物を知っている。そう、本郷猛だ。悪の秘密結社に造られた改造人間でありながら、本郷猛がバッタ男にならなかったのは、彼に正義を愛する奇跡の魂があったからで、「仮面ライダー」のタイトルを名乗るからには、正義の魂は確実に伝えていかなくてはならない。

井上脚本仮面ライダー響鬼には、正義を愛する高潔なる魂が微塵も感じられないのが実情だ。